やばい、可愛すぎ。
冷たい君が付いた嘘
次の日。
ちりりり、と目覚ましの音に私は目を覚ました。
ぼっーと薄く目を開けると、目の前には翔太がすやすや安心した顔で寝ているのが見える。
「ふふ、おはよ翔太」
起さないように、翔太の鼻をつついて微笑んだ後、
私はベットから降りて、部屋のドアを開ける───
「……ふぁああああ」
いきなり横から眠そうにあくびをする声に、私は思わずばっと顔を上げた。
そこには髪がところどころはねたまま、背伸びをしている皐月くん。
「あ、はよゆり」
私を見るなり、皐月くんは何でもないとでも言うように、さらりと言ってのける。
……皐月くんは卑怯だ。私は、こんなことでも、息が詰まって恥ずかしくなるのに。