やばい、可愛すぎ。


「……もしかして、あの時の」


女性は、おびえる皐月くんとは対照的にふわりと、優しげな笑みで皐月くんに微笑みかける。


……あの時?

皐月くんとこの人は、知り合い?


それにしては、過剰におびえる皐月くんの表情が妙に引っかかって、頭から離れない。



「あの時は、聞けなかったけれど───また逢ったわね。


 お名前は、なんていうの?」



女性が、すっと目を細めながら皐月くんに言いかける。……あれ?

よくよく見てみたら、この人とてもきれいだけれど……誰かに、似ている?


すっと通った鼻筋に、アーモンド形の瞳。

そして───その、女性の笑顔は……時折見せる───



「……っっ」


皐月くんは、何も言わないまま立ち尽くしている。



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