やばい、可愛すぎ。
忘れもしない。
一人で留守番をしていた家に、一本の電話がかかってきた。
父からだ。
父は、お母さんが手術に成功してもう面談しても構わないから、病院に行こうというものだった。
俺はやっとお母さんに逢えるんだ、とお母さんが元気になったんだと電話の前で、何度も飛び跳ねたのを覚えている。
久々に会う、母親の顔を何度も思い浮かべながら父の車に揺られて───病院についた。
一歩一歩進む階段だって、緊張でなかなか進めない。
いつもなら、あんなに駆け上がっていた階段も、長い廊下だって───ああ、やっとお母さんにあえる。
お母さんの病室の前。
ドアを開けると、いつものように───こちらに優しく、温かな安心する笑みを浮かべるお母さんがいた。
───おかあさんっ!
俺は、母の名前を呼んだ。
そして、次の言葉に、俺は言葉を失ったんだ。