やばい、可愛すぎ。
「これは、ただ勉強で早く起きたからです」
「へえ、お隣がやたらと騒がしくて
こんな朝早く、起きちゃったんだけど俺」
「っき、気のせい」
ううっ。
皐月くん、私のことからかうき満々だよ。
これ以上話していたら、ますますぼろがでる。
私は顔を隠したまま、慌てて階段を下りる。隠しすぎて、前が見えなくてこけそうになってしまったけれど。
こういうのって、告白した相手が私みたいに動揺するものじゃないの!?
な、なんで私がこんなにドキドキしちゃってるんだっ。
余裕そうに笑う、皐月くんの顔を思い浮かべるたび、心臓がバクバク脈を打って、痛いくらいだ。
「あーもう……落ち着け、落ち着け……私っ……」
言い聞かせても、まったく心臓の音が止んでくれることはなかった。