やばい、可愛すぎ。
***
学校が終わると、ゆりは学園祭の準備でかなり立て込んでいるようで、先帰ってて!とメールを送られ、
結局俺は翔太を迎えに行ったあと、2人で家に帰った。
「ただいまー」
「あら、お帰りなさい」
リビングのドアを開けると、茜さんが優雅にコーヒーを飲んでいるところだった。
翔太はすぐさま洗面所に消えてしまった後、なんとなく気まずい雰囲気が流れる。
そんな雰囲気を破って話しかけてきたのは、茜さんだった。
「ゆりと、付き合っているの?」
「……はい」
俺がそう頷くと、茜さんはそう、と言って柔らかく微笑むと、
ふと壁に貼られたカレンダーに目をやった。
「……もうすぐね」
その瞳は、そうだゆりが時折見せるあの悲しみと後悔に満ちた色。