やばい、可愛すぎ。
「もうすぐって?」
俺が、そう聞くと茜さんは面食らったように持っていたカップをぐらつかせて、え?と俺に聞いてくる。
「さ、皐月くんアナタ。
7月28日はゆりの誕生日よ」
「……え」
ばっと振り返る。
カレンダーには確かに、いびつな丸が28日につけられている。たぶん、書いたのは翔太だろう。
……ゆりの誕生日って、7月の28日だったのかよ。
ゆりが何も言わないから、全然分からなかった。
「ま、まあ。それは仕方ないわよ。ゆりはそういうの言わなくなっちゃったから」
「言わなく?」
「いえ、何にもないわ」
茜さんはそこで話を断ち切ると、体を向き直らせて、俺に聞いてきた。