やばい、可愛すぎ。


「ゆりは?」


「あ、アイツは学園祭の実行委員で」


「ゆりが!?」


むちゃくちゃでかい声で、茜さんが驚いた声を上げる。……そんなに珍しいのか。

茜さんはしばらく考えるように、目を伏せて───ぽつり、と先延ばしにするのはよくないわねとつぶやいた。



「皐月くん、悪いんだけれど」


「……はい?なんでしょうか」


「今日ちょっと、家に人が来るの。

 その人とゆりと私で大切な話があるから、2階で翔太の相手してくれないかしら」


ひと?

それも、ゆりと茜さんを交えて?


へんだな、とは思いつつ───家に住まわせてもらって以上、深入りするのも申し訳ないし、俺は小さく頷いた。



そして、これがキッカケでゆりの過去を知ることになるなんて、知らずに。






 
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