やばい、可愛すぎ。


「これが3つ目」


にっこりと、皐月くんが微笑んで私にりんごあめを差し出してくれた。


かり、と歯切れのよい音と、ともに甘酸っぱいりんごと甘い飴が口いっぱいに広がって、

その懐かしさに、目を細めた。


それは、確かに簡単なものだけれど───なによりも、おいしくて。


「ゆり、食べさせて?」


「なっ」


りんごあめをたべいると、いきなり皐月くんが意地悪そうに笑いながら、そういった。



「いいじゃん、あの時は俺に食べさせてくれたのに」

「あ、あれはっ!」

「ん」


皐月くんはそういって、こちらに小さく口を開けてくる。……うう。し、視線が痛い。


けれど、私はぐっと覚悟を決めて、自分の食べていたりんごあめを皐月くんの口へ。


かりっと音がした後、


「……甘……」


と、顔をしかめるものだから、思わず笑ってしまった。



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