やばい、可愛すぎ。
お母さんは、私たちをリビングのソファーに座らせると、
コホンと小さく咳払いをして、ばっと彼に手を向けて───
「───というわけで、今日から一緒に暮らすことになった
御影、皐月くんでーす」
「……」
「……」
「おー!サツキサツキー!」
なぜか言い切った気満々の母親と、良くわからないけれどテンションの高い翔太を置いて、
私たち2人は、無言で顔を伏せたまま───何も言えない。
「お、お母さん」
おずおずと手をあげて、母親の顔を見ると、挙手した生徒を当てるような口調で、
「なんですか、ゆりさん」
「……あの、私てっきり中学生とか、小学生とか───そういうのを、想像していたんですが」