やばい、可愛すぎ。

「う、うぅううううううああああーん!!」


「っな」


さっきまで俺をじっと見上げていた瞳から、大粒の涙がこぼれはじめる。


若干面喰って、俺は半歩後ろに下がる。


慌てて周りを見渡すと、高校生が幼稚園児を泣かせてる……と

ひそひそ見下したように話しながら、通り過ぎているのが見えた。



「あー、ほら泣きやめ」


子供は、苦手だ。

心情が全く読めないし、こうやっていきなり脈絡もなく泣き始める。


しゃがみこんで、そう話しかけても、


「うわーぁあああん、おねーちゃん、おねーちゃんっ」


それの一点張り。



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