やばい、可愛すぎ。
ふわり、と抱き寄せられた服から
私の家の柔軟剤の匂いじゃない、柔らかな優しい花の香りに、
一気に体温が上昇していく。
「……み、かげくっ」
「……いくの」
爆発しそうな心と、熱くなりすぎた顔のせいで、
慌てて離れようと、腕に力を込めたとき。
「は、なしっ……!」
「や、だ。……どこ、いくの」
「っっ、なにをいって……」
混乱した頭のまま、私がはっと顔を見上げると───
そこには、苦しそうに顔をゆがめながら唇をかみしめる、御影くんがいた。
「おいて、行かないで。……お願いだから、……わすれ、ないで」