やばい、可愛すぎ。
「ふぅん、そっか」
目を閉じて、思い出すのは抜け殻のような、今までの思い出。
家に帰っても、誰もいないのは当たり前だった。
学校から帰ると、電気のついていない自分の家を見るたび、
ずきんと、何かが抜け落ちていくような気がした。
だから───だから、帰りたくなくて。
名前も知らない女と適当に時間をつぶして。
けれど、結局家に明かりがともっていたことなんて、一度もなかった。
寂しいなんて、思わない。
悲しいだなんて、思わない。
そうやって思うのは、他人に何かを求めているからだって。
だから───俺は。