「秘密」優しい帰り道【完】
「うん」
凪くんは私の言葉に、優しく頷いてくれた。
「初めて凪くんに出会った時、
笑顔が素敵な人だなって、かっこいいなって思って、
優しくしてくれて、好きだなって思って。
でも、お父さんのことを知られたら嫌われちゃうって思って私.......
お父さんのことを、凪くんに秘密にした。
好きになってくれなくてもいい、
ただ、嫌われたくなかった」
「うん」
「でもね、お父さんのことを知っても、変わらないでいてくれた、
優しくしてくれた凪くんに、
やっぱり私を好きになってほしいって、
欲が出た。
受験が終わったら付き合おうって言ってくれるって、
俺を信じろよって言われて、
すごく嬉しかった。
その日を楽しみに、勉強頑張ってきた」
「うん」
「いつか、私を好きになってくれるんだって、
信じてた。
でも..........
私はずっと、
今までも、これからも、
どう頑張っても私は..........
凪くんに片思いでしかないんだね」