「秘密」優しい帰り道【完】
次の日、
あれからずっと凪さんのことばかり考えていた。
おかげで昨日の塾のテストが......やばい。
授業中も、凪さんの顔ばかりが浮かんできて、
どうしたらいいのかをずっと考えていた。
このままじゃ私、
ものすごく感じ悪い女で終わってしまう。
これじゃ、まるで凪さんと帰るのが嫌だったみたいじゃん......
ちゃんと自分の気持ちを伝えればよかった。
嫌だったんじゃないって。
家までは、無理なんだって.......
あぁ.......でもやっぱ、家のことは言えない。
どうしてもそこは隠したい。
知られてしまったら、絶対に嫌われてしまう。
凪さんに嫌われるのだけは、嫌だ.......
ずっとそんなことを考えて、放課後になった。
いつものように茜たちと少し教室で話して、
外に出た。
校門に近づくと、ベンチには4人座っていて、
いつもの場所に凪さんが座っているのが見えた。
「じゃあまたね」
いつものように茜に手を振り、
ゆっくりとベンチの方に振り返って、
凪さんの後ろ姿を見つめた。
このままじゃよくない。
隠し事はよくないことは、わかっているけど、
知られたくないことを隠してでも、
凪さんと繋がっていたい。
私はベンチのところまでゆっくりと歩いた。
「あ、あの!!」