「秘密」優しい帰り道【完】
きっと、私また顔が真っ赤だ。
「はい」
頬を熱くしながら返事をすると、凪くんはふっと笑って、
顎から手を離した。
「気を付けて帰れよ」
「はい」
「だから、敬語。ほんといらないから。
ちょっとずつでもいいから、慣れてって。
じゃあな」
凪くんは繋いだ手を離して向きを変え、また来た道を戻りだした。
ちょっとずつ........
っていうことは、これからも一緒にいていいってことだよね。
橋のところから、土手を歩く凪くんの後ろ姿をまぶしげに見つめた。
これからもずっと凪くんと繋がっていたい。
もっと凪くんを知りたい。
私、明日も......
「なっ、凪くん!!!」
橋のところから大きな声で凪くんを呼ぶと、少し先で凪くんがゆっくりと振り向いた。
「どした?」
凪くんは肩にかけたスクールバッグをかけなおして、少し首を傾げて立った。
「あの、私......
明日も一緒に、凪くんと一緒に帰りたい......
明日も明後日も......ずっと凪くんと一緒に帰りたいです!!」