「秘密」優しい帰り道【完】
次の日。
とにかく、勉強はちゃんと頑張ろうって決めたから、
授業中は授業に集中した。
凪くんのいるO高校に絶対に合格!この目標は絶対に叶える。
そう気合いを入れて、頑張ることにした。
いよいよ放課後になると、急にドキドキしてきて、
デートに誘う言葉を何回も頭の中で繰り返してしまっていた。
「くるみ?」
いつも放課後、茜を含めて何人かと話してから、教室を出る。
今日は5人。
その中の一人、木乃香(このか)が私の顔を覗き込んだ。
「えっ?なに?」
「顔、真っ赤だけど、どうしたの?」
えっ
私は両頬を手で押さえた。
「くるみはね~これから......ってみんなに言ってもいい?」
茜がにやにやしながら聞いてきた。
みんなの視線が私に集中。
「べ、別にいいけど......」
「O高校の人をデートに誘うんだよね。くるみ」
「ええええーーーー!!!」
5人ぐっと私に近づいてきた。
「どんな人?」
「かっこいい?」
「何年?」
いろいろ質問されて、それに答えると、
みんなで笑吉屋に見に行こう!ってことになってしまって、
ぞろぞろと、私も含めて6人で玄関を出た。