「秘密」優しい帰り道【完】
泣いている間、ずっと凪くんは私の頭を優しく撫でてくれていた。
「高校も大丈夫だから。
お父さんと一緒にいた先生、すっげぇ良い先生だから。心配ないよ。
安心して、俺の高校受験しな」
凪くんの胸から顔を上げると、「大丈夫だからな」って、
言い聞かせるように、私の頭をぽんぽんとした。
「ありがとう、凪くん」
凪くんは小さく頷いた。
「俺......高2をもう一回やるってなった時、本当は退学しようかと思ったんだ」
退学???
「でも、よかったよ、やめなくて。
くるみと1年間一緒に通えるし」
あはははっと笑って、私から手を離した。
凪くんのかわいい笑顔。
優しい気持ち。
もっともっと好きになって、
もう、この気持ちを抑えきれなくて……
「私、絶対に頑張って合格する。
凪くんと一緒の高校行きたい........
私、凪くんのことが好き......大好き........
私と付き合っ.......」
ふっと目の前に近づいた、凪くんの顔
唇に感じる......これは......
凪くんの唇........