「秘密」優しい帰り道【完】
何がなんだかわからなくなって、
ただ、ドキドキドキドキものすごい勢いで心臓が暴れだして、
カチンコチンに体が動かなくなってしまった。
ゆっくりと唇が離れて、凪くんは私の顔を見ると、吹き出して笑った。
「受験終わったら、俺から言わして」
.......えっ???
「受験生は、勉強頑張りなさい」
また、私の頭をぽんぽんと撫でて、あはははっと笑った。
「受験が終わったら?」
「うん」
「凪くんから、言ってくれるの?」
「うん」
「だって、受験が終わるのって......
10、11、12、1、2、3......」
指で数えると、
「あと半年もある......」
凪くんは、あはははっと大笑いした。
「その間に、凪くん違う女の子に取られちゃったらどうしよう」
「違う女のとこなんか行かねぇーよ」
「だって、凪くんかっこいいから......」
下を向いてそう言ったら、くいっと顎を持ち上げられた。
「だから行かねぇって、絶対に。信じろよ」