「秘密」優しい帰り道【完】
凪くんは「ん?」とこっちを向いた。
「ネクタイ?」
「うん。もし、合格できたら私もネクタイなんだなって。
私、結び方わかんなくて......って、
まだ合格してないのに、気が早いよね」
凪くんに笑いかけると、凪くんはゆっくりと体を起こして、
ネクタイに手をかけた。
「やってみる?」
「えっ?」
「ネクタイ」
やってみるって......
「おいで」
凪くんがそう言って自分の隣をぽんぽんと叩いたから、
おしりを少し浮かせて、凪くんのすぐ隣に座った。
すると、凪くんがネクタイを少し横に振って外し始めた。
その仕草がなんだか大人っぽくて、
するするっとネクタイを外すと、私の方を向いたから、
首元の開いたワイシャツ姿に、ドキッとした。
「リボン外すぞ」
「へっ」
思わず変な声を出してしまい、凪くんに笑われてしまって、
恥ずかしくなって下を向いたら、
凪くんの指が首元に伸びてきて、
制服の細いリボンを外された。