「秘密」優しい帰り道【完】
潤平さんは私をじっと見つめてから、ゆっくり目線を下して、
唇を噛みしめた。
「似てますか?」
もう一度聞くと、潤平さんは苦しげな表情で顔を上げた。
「それ、凪が言ったの?」
私は潤平さんから目をそらした。
「あ.......はい」
嘘をついた。
凪くんは似てないって言ってたけど、
凪くんの言葉を信じているけど、
お姉さんの反応、潤平さんの彼女の反応を思うと、
もしかしてって気持ちが、どうしても消えない。
はっきりさせたかった。
似ているのか、似てないのか。
似ているとしたら、
それは一体、
誰に似ているのかを........
「そっか.......
そのこと、凪は俺には何も言わないから。
でも、くるみちゃんには言ったんだ.......」
潤平さんは、切なげに笑った。
「最初くるみちゃんを見た時、
びっくりしたんだよ。
まるで希未ちゃんが生き返ったみたいだった」
生き......返った......