海辺の元で
カラン♪カラン〜♪

「ただいま〜」

「おぉ!早かったなぁ!」
純平が優雅に掃除をしていた。

「あれ?お父さんとお母さんは?」

「あぁ、食材選びに近くまで行って来るって」

「食材が足りなくなったって言って買い出しにでたんですよ!俺が行くって言ったんですけど。」
横から、シェフの田辺さんが付け足した。

「なぁ〜んだ。怒られると思って、超〜駆け足で帰って来たのにぃ〜」

近くのイスにすがりついた。

「お疲れ様!」
ホール担当のまどかさんが水を用意してくれた。

「ありがとう〜まどかさん!!」
ごくごく…一気飲み。

「まるで男の飲みっぷりだなぁ〜」
純平が横から口を出してきた。

「うるさいなぁ〜!」

「よし、掃除終了〜☆」

「え?私の仕事がぁ〜」
がっくり。
役割を取られた気分だ。

「なんだよ。開店まで時間あんだから、休めば。」
呑気に言う純平。

「そうね、雪乃ちゃん、模試で疲れたでしょ?これからまた仕事なんだから、休んだら?」
まどかさんが、優しく付け加えてくれた。

「でも、みんな仕事してるのに、自分だけ…」

「なに言ってるの?そんな気を使わないで大丈夫よ♪」

「そうですかぁ?じゃあ、少しだけ」

まどかさんの言葉に甘えて休むことにした。
暑さとハードな仕事でまいっていた私は、外のテラスでテーブルに顔を埋めて休んだ。

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