海辺の元で
「雪乃、無理すんなよ」

純平が疲れ果てた私を見て言った。

「あぁ、違うの。今日は、ただ、走ってきたから。」
「みんな心配してたんだよ。雪乃のこと。」

「・・・」

「辛かったら、ちゃんと言えよ。俺でも良いし、おばさんや親父さんでもさ」

「でも・・・」

「でも、じゃない!雪乃は、そんなに体、強い方でもないだろ?」

「貧弱じゃないよ!」

「そうじゃなくて!」
純平は私の両肩を掴み、向き合った。
そして、私の目を見て

「なっ!」
と、言った。

私は静かに頷いた。

確かに、ここの所疲労を感じる日々だった。

受験勉強のストレスが、一番の原因だった。

店は、私の家族が経営しているからこそ、その娘として、従業員のみんなに仕事を増やしてはいけないと、責任を感じていた。

少々、過敏になりすぎていたのかも知れない。

純平に言われて、そう思った。
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