海辺の元で
ガラガラ
チリンチリン…♪♪

ドアを開ける。

「おはようございます!」

「お〜お!おはよぉ〜」
みんなの声が返ってくる。

が、うるさいひねくれものの純平は、テーブルをふきながら

「相変わらず、ブサイクだなぁ〜」

と言った。

ブチ………

「なにぃ?!」振り返り、純平につっかかろうとしたら、お母さんが私に怒った!

「雪乃!何してんの?
あんたも早く、外の看板出して、掃除しなさい!
やることたくさんあるんだから!」


私は、仕方なく

「は〜い!!」

と、返事をし、あっかんべーをして、看板を出しに行った。

純平はいたずらっぽく笑った。

朝の準備が終わり、ちょっと一段落。

みんなで朝のコーヒーを飲み、時間に追われる朝食スタート。

「今度はどうなの?試験!」

私は純平に意地悪く聞いてみる。

「まぁ〜な!たぶん合格だぜ!今年こそはな!」

なんだか根拠なしに自信たっぷりのようだ。

純平は、地元の一流大学を一年浪人して受かり、その後、大学院へ進学。
放浪グセがあって、思いつきで海外に行ったり、日本のどっかへ行ったりと自由奔放!!やっとやりたい事を見つけた。それは、立派に育ててもらった両親の為に、弁護士になること。だけど、司法試験に三回落ち、まだ実現していない。
今度で四回目。
三度目の正直は叶わず、四度目の正直なのかぁ?

今は、司法試験の勉強をしながら法律事務所でアシスタントのバイトをしている。

夏は、法律事務所を休んでうちのレストランにバイトに来るの。

最も、純平の両親とうちの両親は仲良く、幼い時から良く面倒をみてもらった。

だから、純平は私が赤ちゃんの頃から知ってて、兄と妹みたいな関係だ。

情に熱くて、とにかく無鉄砲な純平は、私にとって、大人とはとうてい思えず、いつも馬鹿にする。

一回りも上なのにね(笑)


「そういう雪乃こそ、大丈夫なのか?
受験生だろ?宿題とかテストとか…」


「ふん。当たり前だよぉ〜!」

「そうですか!」

私達はこんな会話ばかりしている。

そして、始まった。

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