海辺の元で
11月初旬…

私は、父に言った。

「いいよ…。お父さんに着いて行くよ…。」


それから、海辺のレストランを閉めることに。
従業員のみんなには、就職に困らないよう、父と母が新しい就職先に話をつけた。

突然のことで、田辺さんは
「僕…この店が大好きでした。この店で、一生働くつもりでした。」

と、涙を流していた。

由香さんも、まどかさんもショックを隠しきれない。
そんな場面を見て、私は、“海辺のレストラン” は、従業員のみんなにも愛されていて、幸せだなっと思った。

眠ることが、怖くなり、不眠症になった私。

それは、父も母も同じだった。

この決断が、決して正しい道だとは思っていない。


他に、生き方はたくさんある。

でも、私たち家族三人が背負った重みを三人同時に終わらせようと、決めた。

私は、残された時間を変わらず住ごそうと心がけた。
ずっと、この先も未来は続いていくと…
< 26 / 30 >

この作品をシェア

pagetop