それでも傍にいたくて
Time 1
ふと、足を止め空を見上げる。
出会った時もこんな色の空をしていたっけか…。
雲一つない真っ青な空にさわさわとなる木の葉。
黙って空を見上げる僕の横を小さな子供たちが騒ぎながら走っていく。
空から木陰にあるベンチを見る。
「今日も暑いね、そんなとこにいないでこっちにおいでよ」
曇りない笑顔を向け、話しかけてきたお前。
僕らのはじまりであるあの夏の暑い日。
僕はベンチに腰掛けあの日を思い出す。
お前と過ごした時間を…。
「ここで何してんの?」
「………秘密…」