それでも傍にいたくて
蒼空からの返信は彼女らしさが出ていて、しかも誘いはOKだった。
彼女がどんな表情で返信を打っていたのかは容易に想像できた。
服は何を着ていこうか。
蒼空は浴衣を着てくるのかな?
そもそも、普段はどんな格好をしてるんだろう。
いろいろ考えていると、ふとあることに気付いた。
「これって…デートじゃないか…?」
やってしまった。
誰かに二人きりでいるところを見られたら…!
海を誘って、蒼空にも眞鍋を誘ってもらうようにしようか…
そうすれば……。
いやいやいや…、それはそれで蒼空に迷惑かけるし…。
でも、僕らは付き合ってるわけじゃないし…!
大丈夫だよな!
……けどもし…誠也や、サッカー部の奴らに見られたら…
「せんぱーい、やっぱり藤田先輩と付き合ってたんすね~、水臭いじゃないっすか~」
「いやぁ、そうだと思ってましたよ~!もうしました?」
などと、ニヤニヤしながらごちゃごちゃ言われるのは目に見えてる!
……どうすりゃいいんだ。
僕はその日一日ずっとそのことが頭から離れなかった。