それでも傍にいたくて
僕らはその後も少し話していた。
「そういえばさ」
「うん?」
「藤田はここで何してたの?」
そう聞くと彼女は眉を下げたかと思うと、少し悪戯な笑みを浮かべて。
「……秘密…」
そう言った。
ふと、時計が目に入る。
時刻は3時半。
「あ!そろそろ練習戻らねーと…!」
1時間以上もここで話し込んでしまったと思い、立ち上がる。
「じゃあ、僕練習に戻るから…!」
そう言うと彼女は慌てて立ち上がる。
「あ、待って…。これ…」
手渡されたのは炭酸飲料。
もうぬるくなって炭酸も抜けきってるだろうそれを受け取る。
「サンキュ」
そう言って笑った。
「どういたしまして!練習頑張ってね」
にこりと笑う彼女の笑顔はまぶしくて、その笑顔を見、僕は走り出す。
「また明日ね、大地君!」
大地君…
名前で呼ばれて嬉しくて、頬が緩んでいるのが分かった。
「おう!また明日な!」
振り向きニッと笑う。
水道整備が今日でよかったと思った。