片想い日記

プールの授業の後。

みんなまだ着替えから戻らない人を待って、自席で雑談していた時。


「さみぃーっ超さみぃんだけど。
よく寒くないよね?」


ちょうど戻ってきた私に珍しく小枝君が話しかけてきた。


『うん…。発熱体質だから。
手とかあっついくらいだよ。』


手をへろっと出してみせると、なんとそのまま小枝君の手に捕まってしまった。


「うわぁーほんとだあったか!!」


手がきゅっと握られる。


『…小枝君は、ほんとに冷たいね。
…私は、人間湯たんぽだから。』


ちょっと笑って言って、躊躇なく触れられたこの手を大切に思った。




小枝君の手は、冷え性なのかちょっとびっくりするくらいに冷たかった。
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