片想い日記

11月

たわいもないけど、私の小枝君への変な緊張を解してくれた、些細な出来事。


それからすぐに、また席替えが行われようとしていた。


周りの子と特別仲良くなったわけでもないし、後ろの席でもない。


この席に未練はないはず。


それでも、少しだけ寂しがってる自分を否定するわけにもいかなかった。







新たな隣は松前。前には大林がいる。


松前は、大見栄を張ってものを壊した挙句、先生を恐れてこそこそするような、なんとも残念なやつ。


その上怒られないと知ると途端に威張り散らすから手に負えない。


それでもみんなに嫌われることがないのがとっても不思議だ。


なにより、小枝君も松前をとことん甘やかすのだ。


いつも自己中心的で楽しむのが大好きな小枝君が、松前の世話をしていたときは、ほんとうにびっくりした。



でも、本当の本当は…


きっと、小枝君に構ってもらえる松前が、羨ましかっただけなんだ。


< 5 / 23 >

この作品をシェア

pagetop