片想い日記
11月
たわいもないけど、私の小枝君への変な緊張を解してくれた、些細な出来事。
それからすぐに、また席替えが行われようとしていた。
周りの子と特別仲良くなったわけでもないし、後ろの席でもない。
この席に未練はないはず。
それでも、少しだけ寂しがってる自分を否定するわけにもいかなかった。
新たな隣は松前。前には大林がいる。
松前は、大見栄を張ってものを壊した挙句、先生を恐れてこそこそするような、なんとも残念なやつ。
その上怒られないと知ると途端に威張り散らすから手に負えない。
それでもみんなに嫌われることがないのがとっても不思議だ。
なにより、小枝君も松前をとことん甘やかすのだ。
いつも自己中心的で楽しむのが大好きな小枝君が、松前の世話をしていたときは、ほんとうにびっくりした。
でも、本当の本当は…
きっと、小枝君に構ってもらえる松前が、羨ましかっただけなんだ。