片想い日記
みんな新しいメンツにわいわい。
なんとなく嫌がる声が多いかな。
私の隣は足立君で、ちょっと変わった写真部部長。
最近になってみんなに師匠、なんて呼ばれて親しまれてる。
実は、あんまり得意じゃない…。
でも。
「お、あしかー!いぇーい!!」
小枝君がハイタッチ、と片手を立てた。
そしたら、ぴょんっと。ぴょんっと足立君が頭で突っ込んだ。
それは、水族館のアシカショーの真似で。
詳しくは知らないけど、足立、が巡り巡ってアシカ、になったらしい。
わたしは、不思議とリアルに2人が飼育員とアシカに見えて肩をふるわせて笑った。
小枝君も、ツボった私を見てにっと、笑った。
それからしばらく、小枝君は随分私に笑いかけてくれた。
「…だよなー。」
なんてだべったあと、
「ねっ?」
って言って首をかしげて、いつも俯きがちな私の顔を覗き込むのだ。
いままでちっとも気にされなかった私に、わざわざ笑いかけてくれる。
それだけで、顔を覗き込まれる度に、ほわっと、心が温まった。
足立君とも仲良くなれた。
小枝君と仲のいい大林も、頻繁に話しかけてくれる。
私の新しい席は、とっても充実していた。