届かないラブレター
ーーーーーカランカラン
「いらっしゃいませー」
お店に入ると、若い男の店員さんがにこやかに案内してくれた。
「2名様ですか?こちらへどうぞ」
案内された席につくと、まわりのお客さんからの視線を感じた。
「あの男の人かっこよくない?」
「かっこいい!隣にいるの彼女かなー?」
「彼女にしては普通すぎるよ。お姉さんとかじゃない?」
なんていう会話まで聞こえた。
彼女ではないけども、お姉さんもないでしょ!
私ってそんなにふけてるの?
肌のお手入れしなきゃ!
そんなことを考えていると、隼人にフッと笑われた。
「何が面白いの?なんかついてる?」
「いや、ちょっと…クククッ」
あの、隼人君?
必死に笑いをこらえてるようだけど、笑ってますよ?
「何がそんなに面白いのよ!」
「クククッ…肌のお手入れしなきゃ!ってなんだよ…クスッ」
え、なんで考えてることが分かったの?
もしかして、超能力者ですか!?
「別に超能力者でも何でもねーよ」
また心を読まれた!
「お前さー、考えてること、全部口に出てるぞ」
「ふぇ!」