届かないラブレター
「家まで送ってくよ」
彼女のことなら断ると思うけど。
「それはさすがに悪いよ…」
ほらね。
予想どーりの答え。
けどね、残念ながら
「お前に拒否権はない。ほら、早く帰るぞ」
俺のキャラ、崩壊してきてねぇか?
「えええ!」
なんか1人でビックリしてるし…笑
「ってか、お前ん家どこだよ」
「こっちー」
と言って彼女は振り返った。
そのとき
ーーーーーーキキーッ
耳を塞ぎたくなるようなブレーキの音が響いた。
「奈子?大丈夫か?!」
俺はとっさに彼女のもとへ駆け寄る。