届かないラブレター


教室へつくと、すぐに紗奈と留美が駆け寄ってきた。



「奈子ちゃん~、おはよぉ~♪ニヤニヤ」



紗奈は何か頼みごとがあったり、企んでたりすると、私をちゃん付けで呼んでくる。




「昨日は楽しかった~?ニヤニヤ」




な、なんでニヤニヤしてるんですか!?



しかも、昨日ってなに?



「私、昨日何かしたっけ?」




「もう、とぼけないでよ!あたし見ちゃったんだから!」




いや、とぼけてるつもりはありませんけど…



それに、見ちゃったって何を?




「奈子と隼人君がデートしてるところ♪」




「ずるい、うちも見たかったわ」




な、な、なんですって!



まさか、




「私がいっぱい食べてるとこ見た?」



見られてたらどうしよ~…



あんなに食べてるの見たら、誰だって引くよね.......




「残念ながら、お店に入っていくとこしか見てないの」




ふぅ~、良かった。



「見られちゃまずいことでもあったの?」



留美が興味津々に聞いてくる。



見られちゃまずいことなんて…




あ、あった////



思い出しただけで、体が熱くなっていくのがわかる。



「あ~、奈子顔真っ赤~♪」



「奈子ちゃ~ん、何があったのかな?白状しましょうね~♪」
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