届かないラブレター
「今日は一緒に登校ですか?手まで繋いじゃって、朝からラブラブだねー」
二人は本当に仲が良い。
学校で堂々とキスするぐらいだ。
しかも、みんなが見てる前で。
私にはなんで二人が付き合ってるのかが不思議だ。
「奈子もはやく彼氏つくりなよー!」
「そうだよ、奈子ちゃんは可愛いからきっとすぐにできるよ!」
「できますかねー、でも誰にでも可愛いとか言う女ったらしの人は嫌だなー...」
もちろん優先輩のこと。
チャラ男は苦手だし紗奈の彼氏だから、もともと付き合う気はないけど。
少し嫌味っぽく言ってみた。
「うわー、奈子ちゃん可愛い顔して意外とはっきり言うんだねー」
先輩が笑いながら言う。
「ゆーうー、あたしがいるのに他の子に手出しちゃダメだよー!」
「大丈夫!俺は紗奈一筋だから安心して♪」
朝からイチャイチャしすぎだよ。
私は二人を無視して足早に学校へ向かった。