甘い誘惑~Sweet Refrain~
南方さんは息を吐くと、
「これがミルクだったら、甘くて泣いてたと思う」

呟くように言った。

「南方、さん?」

彼の名前を呼んだら、
「ああ、ごめん」

あたしの存在を思い出したと言うように謝った。

南方さん、何かあったんですか?

何かあったなら、どうして言ってくれないんですか?

「――あたしでよかったら、話してくれませんか?」

そう言ったあたしに、南方さんは首を傾げた。

この間のシュークリームのこともあるから、教えて欲しかった。
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