甘い誘惑～Sweet Refrain～

「それが核心へと変わったのが、彼女の両親のところへあいさつに行った時だった。

帰り道に、彼女が急用を思い出したって言って車を降りたんだ」

「その時南方さんは、彼女さんに何にも聞かなかったんですか？」

あたしの質問に南方さんは首を縦に振ってうなずいた後、
「本当に急用があるだろうって思ってたから。

その翌日に彼女に連絡をしたら、電話を切られた。

何かあったのかと思って家に行ったら、迷惑だとかウザいって言われて、警察を呼ぶって脅されて、追い出された」

呟くように言った。

「今日も彼女の家に行ったんだけどさ…」

どうやら、南方さんの彼女の家はこの広場の近くにあるようだ。