甘い誘惑~Sweet Refrain~
泣いている南方さんを、あたしは見つめた。

広場にはすすり泣く彼の声が響いていた。

「南方さん」

名前を呼んだあたしに、
「ありがとう…。

少しだけだけど、落ち着いたよ…。

フミちゃんに話せてよかったよ…」

南方さんは泣きながら笑った。

「ハンカチ、洗って返すから」

そう言った南方さんに、
「ありがとうございます…」

あたしは呟くように返事をした。

「南方さん」

あたしはもう1度、彼の名前を呼んだ。

「また何かあったら、話してくださいね」

そう言ったあたしに、
「ありがとう、フミちゃん」

南方さんはお礼を言った。
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