甘い誘惑~Sweet Refrain~
「わかった、カルボナーラね」

南方さんは手をあげると、店員を呼んだ。

「カルボナーラとナポリタンを1つずつ」

南方さんはナポリタンの方を選んだのかと、あたしは思った。

店員が去って行くと、
「ああ、そうだ」

南方さんは思い出したと言うように、スーツのポケットから何かを取り出した。

ハンカチだった。

「はい、ハンカチね。

ちゃんと洗ってアイロンをかけておいたから」

「ありがとうございます」

あたしはハンカチを受け取ると、ポケットに入れた。
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