甘い誘惑~Sweet Refrain~
「ち、違います!」

あたしは手を横に振って否定した。

どうしてそんなことを言われないといけないの?

あなたたちの方がよっぽどひどいじゃないの。

心の中で言ったあたしに、
「無理してウソをつかなくていい」

浮気相手が言った。

ウソって、何のこと?

一緒にご飯を食べたことは、浮気になってしまうの?

「南方さんとは、何もないんです…」

あたしはそう言って、愛莉さんに視線を向けた。

愛莉さんの冷ややかな視線に、躰が委縮しそうになった。

「愛莉、本当に違うんだ。

彼女と昼飯を一緒に食べていただけで…」

南方さんがそう言おうとしたら、
「ウソがヘタ過ぎるよ」

愛莉さんがさえぎった。
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