甘い誘惑~Sweet Refrain~
少しくらい、説明をしてくれたっていいじゃないの…。

なのに、説明をする時間も与えてくれないってどう言うことなの?

「優しい性格に、ウソなんていらないから」

そう言った愛莉さんに、南方さんは悲しそうな顔をした。

ああ、まただ…。

また南方さんが悲しそうな顔をしている。

無理して我慢する必要なんて、特にないのに…。

言いたいことがあるなら、はっきりと言ってしまえばいいのに…。

悲しそうな顔をしないで欲しい。

あなたには、いつも笑っていて欲しい。

「お父さんとお母さんには、私の方から言っておくわ。

彼女のそばにいたいと思ってるんだったら、婚約はなかったことにしましょう」

そう言った愛莉さんに、
「そんな…」

南方さんが何かを言おうとした。
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