甘い誘惑~Sweet Refrain~
「どうもありがとう。

何かあったら、連絡するから」

南方さんはそう言った後、スーツの胸ポケットに入れた。

「はい、わかりました…」

あたしは呟くように返事をした。

どうして考える時間が必要なのだろうか?

と言うか、何で考えないといけないの?

あたしが南方さんにどう思われているのか、とても気になった。

彼の気持ちを早く知りたい。

でも…彼にだって考える時間は必要だと言うことはわかっている。

急かしたいその気持ちを押さえながら、あたしは椅子から腰をあげた。
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