甘い誘惑~Sweet Refrain~
口に広がったトマトソースに、
「美味しいです!」

あたしは言った。

「気に入ってくれて嬉しいよ」

南方さんはペペロンチーノを口に入れた。

あたしたちは最近起こったささいな出来事を話しながら、ピザとパスタをたいらげた。

こうして話をしながら食事を楽しむことができた反面、あたしは少し寂しかった。

婚約と言う周囲からうらやましがられるイベントがあったのに、南方さんは何故か寂しそうだった。

「美味しかったね」

笑いながらそう言った南方さんに、
「あの…デザートも頼んでいいでしょうか?」

あたしは声をかけた。
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