甘い誘惑~Sweet Refrain~
注文を受けた店員が立ち去った後、
「南方さん」

あたしは南方さんの名前を呼んだ。

「何?」

そう聞いてきた南方さんに、
「お節介かも知れないですけど…」

そこで言葉を切った後、
「あたしでよければ話をしてください」
と、言った。

「えっ?」

南方さんは訳がわからないと言うように聞いてきた。

「ピザが届く前、何か悩んでたじゃないですか。

その…彼女との婚約が嬉しくないみたいな」

そう言ったあたしに、
「そんなことないよ」

南方さんは首を横に振った。
< 54 / 188 >

この作品をシェア

pagetop