甘い誘惑~Sweet Refrain~
「彼女がマリッジブルー気味なんだ。

まあ、マリッジブルーはよくあることみたいなんだけどね」

そう言った後、南方さんは笑った。

「そうですか」

そう答えたあたしに、
「彼女、ちょっと神経質なところがあるんだ」

南方さんが言った。

「お待たせしましたー」

店員の声と同時に、あたしの前にティラミスが置かれた。

南方さんはメロンのジェラートである。

「いただきまーす」

ティラミスを口に入れると、ほろ苦い甘さが口に広がった。

仕事で疲れた躰にはもってこいの甘さだな。
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