甘い誘惑~Sweet Refrain~
文緒だってトマトが嫌いだから、あたしのこと言えないじゃない。

彼女は生のトマトは苦手だけど、ケチャップやミートソースのように調理してあるものなら食べられると言う訳がわからない子だ。

「あっ、そうだ」

文緒が思い出したと言うように言った。

「何?」

そう聞いたあたしに、
「明日サークルで飲み会があるから夕飯いらない」

文緒が言った。

「ふーん、わかった。

お母さんには伝えた?」

「さっきメールで言った」

じゃあ、明日はどこかで食べに帰ってくるか。

お母さんもしばらくは忙しいって言ってたし、そうしよう。
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