あなたを探して…
『おばあちゃん!きたよ!』
あたしは見舞い用の果物をみせて言った。
しかし、おばあちゃんからは返事がこなかった。
『おばあちゃん?寝てるの??』
『あぁ、麻紀、きたのねぇ。わざわざありがとう…。麻紀、自分の直感を信じるのよ。信じて、疑わないようにね。』
これはおばあちゃんの口癖。
あたしに毎回いう言葉。
でも今日はいつもといい方が違った。
『うん。おばあちゃん。……お花の水変えてくるね。』
花瓶をもって病室を出た。
受付を通って水道があるところへいこうとすると、見覚えある背中があった。
あれは…田辺くん?
受付してるってことは誰かのお見舞いかな?
しばらくみていると、視線に気づいた田辺が近づいてきた。
『麻紀ちゃん!偶然だね!麻紀ちゃん、どこか悪いの?』
『いや、あたしは…お見舞い』
『そっか。俺も。』
『あ…、田辺くんに聞きたいことがあるの。』
『ペンダントでしょ』
『うん…なんで知ってるの?田辺くんが…『俺は麻紀ちゃんがおもってるような人じゃない。別人だよ。』
田辺くんはあたしの期待を裏切るように言葉を遮って言った。
『何をしってるの?あの男の子がわかるの?』
『ペンダントのことは何も知らない。ただ、麻紀ちゃんを探してる人を手伝ってるだけだよ。』
『手伝ってる…?なんで、、?』
『言っちゃいけない約束なんだ。…じゃあ急いでるから。』
『あ、待って!!!』
田辺くんはニコッと笑って
『これ俺の番号。答えれる範囲なら答えるよ。じゃっ』
田辺くんは行ってしまった