地獄で咲いた愛の花
三日目、束の間の平穏
三日目の朝、白露は千尾丸にある命令を出した。
「白良の父の行方、探ってこい」
「旦那~、関わるんですか~?このままじゃお休み中に血は見れやせんぜ?」
白露は気怠い様子で口を開く。
「感じないか…?千尾丸。この村はどこか…甘美な臭いがする」
「旦那が褒める臭いっていうと、血ですか?」
「そうだ。この村…やけに血生臭い…。まるで、最近殺しでもあったかのようにな…」
千尾丸は体を小刻みに震わせた。
「薄気味悪いこと言わないで下さいよ~!ぷるぷるしてきやした」
「だから、調べて来い。行方知れずの男が生きているか…否か…」
ぶつぶつ文句を言いながらも素直に従う千尾丸。
彼はこの日一日中、白良の父親探しに尽力をつくしたのだった。