地獄で咲いた愛の花
「もう、我慢の限界だ」
小石や蔑みの言葉の集中砲火はまだ続いていた。
白良の意思に関係なく、白露が出ていこうとした時だった。
「お願いします!!」
白良の大きな声が響いた。
いや、それは叫びだった。
「お願いします!!!どうか、この家からは追い出さないで下さい!!」
その場に土下座し、地に額をつける少女。
彼女の言動に、大人達は投げる手を止めた。
「お願いします!父の責任は私が背負います!何でもします!だから…」
痛々しいほど必死な白良。
とうとう涙も零れ、水滴が地面に染み込んでいく。
「そうかい。あんたが責任とるってんなら…良いだろう。しっかり働いてもらおうじゃないか」
降ってきた声は冷たかった。
しかし自分の頼みが聞き入れられたことに、白良は感謝の言葉を何度も繰り返したのだった。