地獄で咲いた愛の花
白良の父親は強姦の悪行をしたのだ。
(ならば、白良は…)
「…天道には行けぬ…」
彼女も、父親とともに地獄へ堕ちる。
「白良?誰だそれ?まあ、とにかくこの亡者の子供がそろそろ堕ちてくるから、捕まえといてくれ」
そう言って亡者の髪を引っ張り、顔を見せる仲間の鬼。
白露は男の顔をよく見た。
「…ん?この男…」
右頬に大きな黒子。
「まさか…」
嫌な予感に動揺する白露。
「おーい!そいつの娘が来た!こいつだ!」
遠くから一本角の鬼が少女を抱えて走ってきた。
事務的に少女を降ろすと、再び走って行ってしまう。
「………白良」
連れて来られた亡者は、彼の心を何度も揺さ振った少女。
白良だった。
「白、露…?」
予想外の再会に驚愕する白良。
「じゃあ、始めるか。白露はその娘をよろしくな。俺はこの親父の方を押さえてるから」
無情にも責め苦の時間は始まった。