心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~
僕が睨みつけると、聡子は言葉に詰まるかと思いきや、平然と肩をすくめる。







「お兄ちゃんこそ、馬鹿ね。

伝統的に神仏習合が行われてきた日本においては、神様と仏様は同一視されてきたわけだから、神様の慈悲って言ったって、何の問題もないでしょ」






ーーー小憎たらしい。



本当に、誰に似たんだが。







「とにかく!

お兄ちゃんの部屋からどんより暗〜〜いオーラが漂ってきて、家じゅう重苦しいのよね。


こっちの気分まで盛り下がっちゃうじゃない。

はた迷惑だから、いじけるなら外でやってよね」







勝手なことを言い切って、聡子はばたんと僕の部屋のドアを閉めた。







………あぁ、腹立たしい。




みーちゃんのことだけでも怒りで落ち着かないのに、聡子までが僕の精神をかき乱そうとしている。





僕は溜め息をついて、勉強机から離れた。




ベッドにごろりと寝転んで、ぼんやりと仰向けになる。





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